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学資保険ってどんな保険?

 2018/01/13 学資保険ってどんな保険?   9,806 Views

当サイトのトップページでも簡単に学資保険についてご説明しました。
ここではさらに詳しい学資保険の内容をご説明しましょう。

まず繰り返しになりますが、学資保険は子どもの教育資金の補助を目的とした保険です。

教育資金の補助というと少し難しい感じがするかもしれませんね。
もっと簡単にいうと、子どもが大きくなったときにお金の不足が原因で、望んだ教育を受けられないことがないようにするための保険です。

もちろん学資保険に加入していればどんな教育でも必ず受けられるという保険ではありませんし、投資とは異なりますのでお金を増やすことを目的とした商品でもありません。

投資は自分が使ったお金が大幅に増えたり、減ったりする可能性を秘めているギャンブル性の高いものです。
対して学資保険は、基本的には自分が払い込んだ保険料に近しい金額が手元に戻ってくるように作られています。

また、学資保険は保険商品であることを忘れてはいけません。
では具体的に説明していきましょう。

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学資保険は保険商品

いきなりですが、学資保険という言葉を分解してみましょう。

【学資】

人が勉強するために必要なお金(費用)のこと。
学費ともいう。

【保険】

将来起こる可能性がある危険に対して、予測される発生確率に見合った保険料を支払うことで、万が一の危険に備えるための商品のこと。

子どもの教育に対して将来起こる可能性がある危険には以下が考えられます。

  • 思うように貯蓄ができず教育資金が払えない
  • 学費を稼ぐはずの親に万が一が起きて教育資金が払えない

要は「将来、勉強するために必要なお金が支払えなくなる危険を予測して、保険料を支払うことで万が一支払えなくなったときに備える」ということです。

貯蓄ができないことに備えるだけであれば、保険ではなく金融機関などの貯蓄だけで十分です。

契約などいろいろと面倒な手続きのある学資保険が選ばれる理由は保険に備えられた保障機能にあるんです。

保障機能については「学資保険の保障って?」で改めて詳しくご説明しますね。

ここでは、もう1つ。
学資保険に加入しているとなぜ、万が一に備えることができるのかを知っておきましょう。

慶應義塾の創設者として有名な福沢諭吉は、保険のことを「一人の災難を大勢が分かち、わずかの金を捨てて大難を逃れる制度」と言っていました。
さすが福沢諭吉ですね、この一言がとても難しく感じます。

福沢諭吉の名言を言い換えるのは少々気が引けますが、一言でいうならば「たくさんの人が仲間になって困った仲間を助ける」というところでしょうか。

これを簡単に表したのが下の図です。

保険のしくみ

同じ目的を持った多数の人が保険に加入し、決められた少額の保険料を保険会社へ支払います。

この場合の目的は危険に備えることですよね。
医療保険なら将来の健康に備えたい、学資保険なら将来の学費に備えたい、生命保険なら将来死亡した時に備えたいとそれぞれの保険で目的が違います。

そしてその中の人に万が一が発生した場合は、保険会社が蓄えていた保険料から決められた保険金や給付金を支払ってくれます。

保険会社が窓口となってたくさんのお金を契約者から預かり、万が一が発生した場合にはそのお金から必要な金額を支払うということです。
この相互扶助のしくみによって、長い人生の万が一に備えることができる制度が保険なんですね。

預貯金と学資保険の違い

では、具体的に預貯金と学資保険を比較してみましょう。

預貯金と学資保険の違い

教育資金を預貯金で貯蓄する場合は、ゴールに向けて月々決まった金額を積み立てていくのが一般的です。
月々決まった金額を貯蓄に回すという意味では学資保険も同じです。

しかし、万が一の事態が発生した場合はどうでしょう。

預貯金で貯蓄をしている途中、メインでお金を稼いでいる人が死亡したり、働けない身体になってしまった場合、継続して貯蓄できるだけのお金を用意できないかもしれません。
これが先ほどご説明した「将来起こる可能性がある危険」なのです。

その点、学資保険に加入していれば、契約者に万が一が起きた場合の保険料免除制度育英(養育)年金制度などさまざまな保障があるので安心できるんですね。

学資保険のしくみ

保険の基本的なしくみを理解したところで、学資保険のしくみに移りましょう。

学資保険も保険商品である以上、保険の相互扶助のしくみを持っています。
ここでは学資保険の全体像を理解するために下記6つのしくみに分けてみていきましょう。

給付のしくみ
保険料支払い方法のしくみ
保険料の払込期間のしくみ
返礼率のしくみ
保障のしくみ
保険料のしくみ

給付のしくみ

学資保険を理解するうえで返礼率と並んで重要なポイントとなるのが、学資保険の給付のしくみを知ることです。

当サイトのトップページ「貯蓄を失敗しないために」でも書いているように、貯蓄は「いつ」「いくら」必要かを明確にすることから始まります。
「いつ」「いくら」を決めても給付のしくみをきちんと理解していないと、せっかく決めたポイントを活かすことができません。

学資保険の場合、受け取る金額はある程度の区切りはあるものの契約者が設定することができますが、祝金と呼ばれる給付金と満期時に受け取ることができる満期保険金の給付時期が決められている商品がほとんどです。

よくあるパターン別に見ていきましょう。

給付パターン
Aタイプ【こまめに受け取る】

幼稚園や小学校など子どもの年齢が低い頃から大学まで、各学校の入学時期に合わせてこまめに分割して給付されるタイプです。
満期時に一括して受け取るタイプよりも若干保険料が高くなる傾向にあります。
幼稚園や小学校、中学校を公立で考えている場合には学費もあまり高くならないため、私立を考えている人におすすめです。

Bタイプ【高校・大学時期に集中させる】

私立校を選択する可能性が高くなる高校と大学に分割して給付されるタイプです。
中学校まで公立に通っている子どもでも高校から私立を選択する可能性が高くなり、その分学費も高額になります。
また、大学受験のための塾や予備校通いも開始される時期なので、教育費全般の助けになりますね。

Cタイプ【大学入学に焦点をあてて備える】

大学入学時に一括して満期保険(給付)金が給付されるタイプです。
学費が一番多くかかる大学時期のみに焦点を絞ることで、返礼率が高めに設定されていることが多いです。

どの給付タイプが良いかは各家庭によって異なりますが、「いつ」「いくら」の条件を元にすればおのずと答えが見えてくるのではないでしょうか。
一般的にいえることは、こまめに祝金が給付されるAタイプは幼稚園や小学校、中学校を公立ではなく私立で考えている家庭に向いているということです。
「いつ」「いくら」を元に自分の家庭にあったタイプを選びましょう。

保険料支払い方法のしくみ

学資保険をはじめとする保険はすべて保険料を支払うことで、必要な時に保障が受けられるしくみになっていましたね。
保険料の支払い方法や保険料を支払う期間にもさまざまなタイプがあります。
保険料の支払い方法と期間のしくみについてみていきましょう。

まずは支払い方法です。
保険料の支払いというと毎月小さな金額を支払っていく「月払い」を想像するかもしれませんが、その他にも「半年払い」「年払い」「一時払い」「全期前納払い」という方法があります。

特に「一時払い」と「全期前納払い」は間違えやすい支払い方法のため、よく理解しておきましょう。

支払方法
月払い

月謝や賃貸住宅の家賃などと同じく毎月決められた日に、決められた金額を支払います。
半年払い

半年に1回、決められた日に決められた金額を支払います。
月払いと異なり、半年分の金額を支払うので1回の支払い額が高くなります。
年払い

1年に1回、決められた日に決められた金額を支払います。
月払い、半年払いよりさらに1回の支払い額が高くなりますが、総合的にみると保険料が割安になるように設計されていることがほとんどです。
一時払い

すべての保険料を一括で支払います。
保険料の総支払額が安くなりますが、生命保険料控除が支払った年の1回のみになり、途中で解約をした場合に支払い保険料よりも返還金額の方が低い金額になることもあります。
全期前納払い

すべての保険料を一括で保険会社へ預ける支払い方法です。
保険会社決められた支払日に、預けられた保険料の中から支払い分の料金を充当します。
一時払いは一括で保険会社へ支払いますが、全期前納払いの場合は支払うのではなく預けるところが大きな違いです。

全期前納払

保険会社はまとめて大きな金額を受け取った方が運用しやすいことから、月払いよりも半年払い、半年払いよりも年払い、そして年払いよりも一括払いの方が保険料が割安になります。

預貯金などに使わないお金が眠っている場合には、まとめた金額で支払う方法を選択するのも良いでしょう。
しかし、保険料が安くなるからと無理をした支払い方法を選択すると最終的に保険を継続することが難しくなることもありますので、家庭の収支とのバランスを考えた支払い方法を選びましょう。

保険料の払込期間のしくみ

保険料に関するしくみの話が続きます。
保険とはいえお金を支払うことに関係しますので、細かい部分までよく理解したいですね。
ここでは保険料を払い込む期間についてご説明します。

何かをカードやローンで購入した場合、支払い回数を選択することができます。
それと同じで学資保険も支払う期間を選択することができます。
カードやローンは月払いを基本としているため「回数」で選択しますが、学資保険の場合は上で説明したように支払い方法を月や年などから選べるため回数ではなく「期間」で選択します。

まずは下の図を見てみましょう。

払込期間

これを見てわかるように、払込期間が短くても長くても契約(保障)期間は変わりません。

保険会社やプランによって用意されている払込期間はまちまちで、中には契約の全期間払い込む方法しか用意されていない商品もあります。

また、「支払い方法」でも書きましたが、保険会社はよりまとまった金額を受け取った方が運用しやすいため、払込期間は短い方が保険料が割安になるように設計されています。

ここで払込期間を選択するうえでのポイントを考えましょう。

払込期間選択のポイント

返礼率アップ
保険料の払い込み期間をより短い期間にすることで返礼率がアップします。

解約返戻金
途中で解約しなければならなくなった場合、その時期によっては支払った金額よりも少ない金額しか戻ってきません。

保険料払込免除制度
学資保険は、保険料の支払い途中で契約者に万が一が起きた場合、その後の保険料支払いが免除になる制度が魅力の一つです。
しかし、払込期間を短くした場合は免除期間が短くなってしまいます。

保険料払込免除

万が一が発生したときに既に保険料の払い込みが完了していた場合、この制度を活用することはできません。

これらのポイントはメリット・デメリットでもあります。
このポイントを踏まえたうえで、家庭の収支状況も鑑みながら払込期間を選択しましょう。

返礼率のしくみ

学資保険は返礼率で選ぶ!と言っても過言ではないほど多くの人が関心のある返礼率です。
返戻率は支払った保険料に対して、どれだけの給付金・保険金を受け取ることができるかを決める重要なしくみのため、しっかりと理解しておきましょう。

返戻率は学資保険の契約前に保険会社が提示してくれるので自分で調べなくてもわかりますが、返戻率を求める公式は決まっているので事前に自分で調べることもできます。
下記を見てみましょう。

返戻率

ここで注意してほしいのは「受け取る保険金の総額」です。
これには満期時に受け取る満期保険金以外に成長過程で受け取る祝金も含まれています。

返戻率が低いと支払った保険料よりも受取る金額が少なくなり、返戻率が高いと受け取る金額が多くなります。
返戻率は各学資保険の保障内容などによって変わってきますので、一概には言えませんが現金だけで考えると損をしたか、得をしたかということになります。

支払った保険料よりも受取る保険金が少なくなってしまうことを元本割れといいます。
学資保険は貯蓄を目的とした保険ですので、元本割れしてしまうようだと預貯金で貯蓄をした方がよい結果となってしまいます。

学資保険を選ぶときは返戻率の高い商品を選ぶことをおすすめします。

保障のしくみ

学資保険は貯蓄を重視した保険商品ですので、保険の持つ保障機能も充実しています。
代表的な保障機能は下記のとおりです。

払込免除制度
契約者に万が一が起きた場合、その後の保険料支払いが免除されます。
育英(養育)年金
契約者に万が一が起きた場合、その後学資保険の満了時までの間、決められた金額の年金を受け取ることができます。
医療保障
子どもの病気やケガに対し、決められた保険金が支払われます。
死亡保障
子どもが契約期間中に死亡してしまった場合に保険金が支払われます。
個人賠償責任
他人に損害を与えてしまった際の賠償額として保険金が支払われます。

教育資金を学資保険を利用して貯蓄する人の多くはこの保障制度にメリットを感じているようです。
特に契約者となる親に万が一が起きてしまった場合の払込免除制度や育英(養育)年金は、その後の子どもの教育に大きな影響を与えますので重要です。

但し、医療保障を充実させた場合は返戻率が低くなり元本割れを起こすことがほとんどですので注意しましょう。

保険料のしくみ

学資保険の保険料はどのようにして決まるのでしょうか。

保険料はさまざまな条件を元に各保険会社が各商品によって決定するため、同じ内容でも保険会社によって金額が異なることがあります。
正確な情報は各保険会社の保険商品ごとに調べるしかありません。

但し、保険料の決定を左右するポイントとなる条件がありますので、ここでは簡単にそのポイントだけをお伝えしましょう。
保険料決定にかかわるポイント

満期保険金額
貯蓄したい金額が高ければ支払う保険料も高くなります。

支払い方法
月々支払うよりも、半年や一年ごとなどまとめて支払った方が保険料が安くなります。

払込期間
払込期間が短ければ短いほど保険料が安くなります。

契約者年齢
契約者の年齢が高くなるとその分リスクも増加するため、保険料が高くなります。

支払い方法や払込期間については既にご説明しているのでご理解いただけていると思いますが、意外と見落としがちなポイントが「契約者年齢」です。
学資保険は払込免除制度や育英(養育)年金など、契約者の万が一に備えた保障が充実しています。
一般的に年齢が高くなればなるほど万が一の事態が起きる可能性が上がると考えられていることから、保険料にも影響を与えるのです。

保険料をできるだけ安くするのであれば、早い時期に加入し、短期間でまとめて支払う方法を選択することです。
加入時期は保険会社により異なりますが、一般的に出産前から加入することが可能ですので子どもを授かったら検討を始めた方がよいでしょう。

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